中国越境ECの課題と解決について
中国越境ECに見られる独特の課題とは?
国境を越えた往来が中断されたことをきっかけに、越境EC市場はここ数年で急成長を遂げました。中でも、元々市場として大きかった中国向けの越境EC市場には、中国インバウンド客向けの商品販売を行っていた企業を筆頭に、様々な日本企業が参入しています。
当社でも、中国で非常に広く利用されているスマホ決済「Alipay」と「WeChat Pay」を取り扱っています。また、中国では当たり前となっている新しいツール「ミニアプリ」の導入サポートを行っています。日々、中国越境ECの市場拡大を肌で感じる一方で、中国に向けて製品を輸出する際に生じる、中国独自の課題というものも感じています。
当ページでは、越境ECを行いたい事業者さまや、そのサポートを共に行っている協業先さまとの対話の中で見えてきた「中国越境ECにおける課題」と、その解決策についてをご紹介いたします。
中国越境ECの課題1: サイト流入が見込めない
既に多くの方がご存じの通り、中国には独自のネット検閲システム「グレートファイアウォール」が存在しています。これによって、中国本土に住んでいるユーザーのほとんどは、GoogleなどのWebエンジン、FacebookやTwitterなどのSNS、YouTubeなどの動画サービス、LINEなどのチャットアプリなど、日本で当たり前にマーケティング活用されているインターネットサービスへ、アクセスすることができません。
これはつまり、日本で中国人向けに中国語版のWebサイトやGoogleアドセンスなどの広告コンテンツを用意したとしても、情報検閲の厳しさのせいで閲覧自体してもらえないかもしれないということです。
また、もし中国で公開するように別途Webサイトを作成しても、日本のように「誰でも公開できる」というわけではありません。中国でインターネット上にWebサイトを掲載する際は、現地法人がICP登録を通じて中国当局から公開許可を得なければならないからです。万が一、無断で公開したことが当局に見つかってしまうと、強制的に掲載停止となります。そして、再度公開するのに様々な手続きが必要となります。
中国人の見込み客に自社製品・サービスを見てもらうには、これらの中国人が利用している複雑なサービスに配慮して宣伝する必要があります。
中国越境ECの課題2: 関税が複雑
日本から国外へ輸出する際は、当然関税がかかります。これが中国の場合、ちょっとした条件の違いで税の名称や税率が変わり、非常に複雑になります
例えば、中国国内の保税区内にある事業者を介して購入者へ商品を届ける場合と、日本から直接商品を届ける場合とでは、それだけで税率や必要な書類が変わってきます。また、輸出する商品の分類によっても、税率が細かく定められています。
その他、購入者が支払わなければならない税金もあるため、すべてを把握するのにも労力がかかります。
中国越境ECの課題3: 物流サービスの質
中国には複数の物流会社がありますが、サービスの質はまちまちです。予定通りの日数で届かないのはまだマシな方で、運送中に荷物が紛失するといった日本ではありえないトラブルも往々にして起こり得ます。
購入者側でも、追跡番号が間違っているため荷物が追跡できないといった事が起きたり、正しく税金の請求が行われなかったせいでそもそも荷物が関税局を出発していなかったりと、中国本土へ荷物が到着しているのに受け取れないというトラブルが発生しがちです。
この物流に対する課題は、日本から中国への越境ECをサポートする多くの事業者が問題視しています。
それぞれの課題解決方法とは?
広告:中国の広告サービスを活用する
グレートファイアウォールの内部で中国人に向けてプロモーションをすることは、不可能ではありません。中国のSNSであるWeibo、メッセージアプリのQQやWeChatを活用することで、中国人に向けたアプローチが可能です。
しかし、これらを日本法人が実施するには、いくつかの障害があります。
第一に、中国語での発信が求められるということ。先ほどお話ししたように、中国でWebサイトを公開するためには現地法人によるICP登録が必要です。ICP登録を100%外資で行うことは非常に困難なため、百度(バイドゥ)などの検索エンジンに自社のWebサイトを置くという施策は、難易度がかなり高いといえます。
これについては、政府への申請が必要ないSNSアカウントの解説やWeChatアカウントの開設、および各アプリ内にWebサイトに近いサービスをアプリとして掲載できる「ミニアプリ」の活用がおススメです。同じECサービスを提供するとしても、ミニアプリであればICP登録の必要はありません。
第二に、中国独自のコミュニケーション文化やローカルルールに合せる必要があるということです。こちらは、中国発サービスを直接利用するのではなく、日本法人向けにリリースされているAlipayやWeChat Payのプロモーションサービス(Discoverなど)を利用する、SNS・チャットアプリの開設をサポートしている日本法人を頼る、日本法人を介して製作可能なミニアプリの活用する、といった対処を取るのが、最も効率の良い宣伝手段といえます。
関税:三単合一を活用する
中国の保税区内に倉庫や法人がなくても、中国の通関で優遇税率を受けられる「三単合一」システムを活用することで、通関をよりスムーズに行えます。
三単合一とは、「支払い」「商品」「輸送」の3つの情報をAPI連携する、中国税関のシステムのことです。
当社でも、三単合一システムに対応した決済サービス(WeChat Pay)の用意がございます。お気軽にお問い合わせください。
三単合一の活用と適用範囲について更に知りたい方は、こちらをご覧ください。
物流:日本法人が推奨する物流サービスを活用する
中国越境ECのサポートを行っている事業者さまの中には、独自の物流サービスを提供している所があります。また、物流サービスとの契約をサポートするサービスの提供もございます。
当社のパートナー企業さまの中にも、物流サービスのサポートを行っている事業者さまがいますので、当社への相談を通じてご紹介することが可能です。中国越境ECのスタートアップに有用なサービスも併せてご案内ができますので、ぜひ一度ご相談ください。
中国越境ECを始める方は、ぜひ一度ご相談ください。
当社では、中国越境ECで広く活用されているオンライン決済サービス「Alipay」「WeChat Pay」を提供しております。また、中国越境ECを始めたい方に有用なサービスを提供しているパートナーの皆様を、ご相談を通じて紹介させていただきます。
中国の事情を良く知る中国人スタッフもおりますので、現地の事情をもっと詳しくお知りになりたいという場合でも、可能な限り対応させていただきます。
中国越境ECについて、いつでもお気軽にUnivaPayへお問い合わせください。