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拼多多ってどんな企業?今中国で急成長中のECモールを紹介

はじめに

先日、日本経済新聞内でこんなニュースがありました。
アリババ、中国のEC利用者数で首位陥落
中国のEC市場では、長期にわたってアリババグループの運営する淘宝網(タオバオワン)が首位に君臨していました。
しかし、2020年末に後続のECサイト「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」が、電子商取引(EC)利用者数で1位となりました。売上額は約6倍差とまだまだ淘宝網が上回りますが、その立場を脅かす存在として注目されているのが、拼多多です。
今回は、そんな新進気鋭のECモールについて、紹介します!

拼多多の基本情報

創業:2015年
創業者:黄崢
現CEO:陳磊
本社所在地:上海
製品:電子商取引(EC)
売上高:265億4770万元(約4427億円、2020年第4四半期)
アクティブユーザー数:7億8800万人(2020年12月末時点)
筆頭株主:テンセント

拼多多の「拼」は、「寄せ集める、繋ぎ合わせる」という意味があります。

ターゲット層は地方、購入方法は「共同」

拼多多が業績を伸ばした最大の要因は、「ターゲット層を地方部の低・中所得者に絞ったこと」そして「共同購入で購入の敷居を下げていること」の2点だと考えられます。
まずターゲット層ですが、淘宝網が都市部の高所得者を見据えているのに対し、拼多多はその真逆を狙いました。中国の所得格差が大きいことは有名ですが、経済協力開発機構(OECD)によると所得上位20%と下位20%の差は10.2倍(2020年)となっており、その数値はアメリカをも上回ります。
北京や上海などの大都市では裕福な暮らしを送り高額の買い物ができる高所得者が暮らしており、淘宝網のターゲットはこちら。しかし、第2、第3の規模感である地方都市に住む人々にとって淘宝網は、いわばちょっとした高級モール。その課題へ目をつけたのが、排多多というわけです。

そんな理由から、拼多多ではそれほど生活に余裕のない人が買い物をする前提での販売戦略が行われています。それこそが、2つ目の特徴である「共同購入」です。
共同購入のやり方は難しくなく、モール内で共同購入者を募集している掲示板から欲しい物の募集に参加したり、WeChatや微博などのSNSを通じて知り合いやフォロワーから協力者を募ったりして行います。出店企業としては、共同購入で安く買いたいユーザーのおかげで広告費を抑えることができるため、まさにWin-Winの関係と言えます。

共同購入での割引率は、全体的に見て2割~4割ほど。おすすめとして出てくる商品には日用品が多く、継続して安くなっていると嬉しい物が多いのも特徴的です。実際、客単価は淘宝網よりも低いため、引き続きユーザー数をどれだけ増やせるかが肝となってくるのでしょう。

テンセントとの繋がり

拼多多が、目の付け所の良さとターゲットに合った販売方法で業績を伸ばしたパワフルな企業であることは、もうお分かりいただけたと思います。そんな拼多多の後ろ盾ともいえるのが、アリババと並び立つ大企業のテンセントです。
アリババとテンセントは、いわばライバル企業同士。Alipayのミニアプリで拼多多を検索しても出てきませんし、WeChatミニアプリの拼多多で購入しようとしたとき、決済方法にAlipayはありません。

そして前述の通り、Alipayには既に淘宝網があります。その淘宝網に対抗するにあたって、テンセントが活用できる一番のアドバンテージが、中国最大のユーザーを抱えるチャットアプリ「WeChat」です。拼多多のビジネスモデルとWeChatの相性が抜群であることは、火を見るよりも明らかであり、淘宝網への対抗馬としてはぴったりの存在だったといえるでしょう。
拼多多の登場と猛進によって、中国のEC市場は今後さらに切磋琢磨して、白熱した成長競争を繰り広げることになりそうです。

おわりに

ユーザー同士のコミュニティと、「共有して一緒にその時間を楽しみたい」「安くなれるだけの人数を集めきりたい」といったユーザーの心理を上手く利用して、その勢力を伸ばしている拼多多。日本国内でも、このビジネスモデルを参考にしたサービスがいくつか登場しています。


すでに前例が多くある淘宝網や老舗ECモールとは異なり、拼多多は日本での知名度も低く、参入には中々ハードルが高いかもしれません。ですが、淘宝網と明確にターゲットを分けている排多多を知ることが、今後の越境ECで活路を見出すきっかけになるかもしれません。中国への商品展開を行う際に、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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