ECサイト集客にも使える!「元SEO嫌い」が教える検索流入の改善のコツ
※本記事は2019年以前に書かれたものです。
上期総括にのめり込みすぎ、隔週連載としておきながら一度落としてしまいました。以後ペースアップします。
さて、その「総括」から見えてきたノウハウがある訳ですが、それを早速公開してしまいます。何故なら「EC運営企業様のお役に立つ」事がミッションでもあるので。
SEOという行為が嫌いでした
そもそも、私はずっと疑問を持ちマーケティング活動をしていました。それは…
何故マーケターがSEOをすべきなのか?
という点に違和感を感じていたからです。
いわゆる「SEO」と呼ばれるアクションや、それについての議論が
お客様ではなくGoogleが中心
な状態でなされていて、手段と目的が逆転している印象が違和感の元なのでしょう。おかげで私もすっかり「SEO」という言葉が嫌いになっていました。とはいえ、インターネットの入り口の大部分はまだ「検索エンジン」中心であるのは間違いなく、しっかりと向き合わなくてはなりません。
検索エンジンの仕様やアルゴリズムに翻弄されずに、またそれを逆手に取ったSPAMのような手法に頼る事なく「お客様のためになる活動」をやっていきたいと皆さん思うはずです、本来の姿のマーケティングの理想としては。
SEO嫌いはこうして治した
そんなSEO嫌いな私ですが、次第に克服できてきました。Googleが2011年から行っているパンダ・アップデートが、まさに「お客様のためになる活動」を評価する仕組みであったからです。
パンダ・アップデート説明は、有名SEOブログから引用させていただきます。
“パンダアップデートは、2011年2月に米Googleで導入された新しいアルゴリズムです。
引用元:海外SEO情報ブログ 「パンダアップデートとは?」のおさらい、初代パンダから最新のパンダまで”
質が高いコンテンツのサイトを評価を高め、反対に質が低いコンテンツのサイトやページが検索結果に出てこないようにしました。
検索結果に与えた影響は11.8%で、Google検索史上まれに見る大変動・大混乱を引き起こしました。”
ごくごく簡単にまとめると、
お客様のためになる、価値ある情報
を作り続けることが集客につながり、報われるようになって来たことで、自信を持ったコンテンツ作りに励めるようになったというのが経緯です。
価値ある情報とは何か?
EC事業者が発信できる『顧客に対して、本当に価値情報とは何か』それは大きくふたつの条件があると考えています。
商品について、
何処よりも詳しく(過剰なくらいで、ちょうどい良い)
独自の情報(実践・体当たり的だと、なお良い)
である事です。
これは中々難しいことで、正直私も毎回の記事でこれが出来ているとは言えない状態ですが、ヒントは昔ながらのメディアである
雑誌
に、あるのではないかと考えています。
例えば、広告を一切掲載しないことで出版会の異端として知られる「暮しの手帖」は、徹底した検証記事が読者から愛され続け50年以上存続しています。
興味が湧いたらこちらの記事をご覧ください。
この検証は本当に「体当たり」そのもので、スポンサーへの配慮なんてものとは一切無縁のガチンコ(真剣勝負)で、まさに「お金を払ってでも読みたい記事」と言えるでしょう。実際のところ集客目的で同じことをするのは難しいのですが、近いスタイルは可能ではないでしょうか。売りたい商品に対する「価値ある情報」を届ける事を、Googleも評価してくれるのですから。
少し脱線しますが、元々出版社で編集のお仕事をされていたり、編集プロダクションにいらっしゃった方、またはそのようなスキルをお持ちの方は、それがそのままマーケティングスキルとして生きるようになり、様々な企業に重宝されるように既になっていると思いますし、私もその端くれでしょう。
EC事業者の皆様は、取り扱う商品に対しての知識や、面白い見せ方を理解しており『価値ある情報』を記事にし、発信しやすい立場にある筈です。
『価値ある情報』をどうする?
『価値ある情報』ができたら(と、軽々しく言えないほど労力と技術が必要ですが)、その情報の存在と「序列」を検索エンジンに届け、情報を見つけてもらいやすくする必要があります。雑誌で言えば「特集は何ページからだよ!」という「目次」を作ってあげるイメージですね。
webサイトにおける「目次」は、いわゆるパンくずリストです。これを構造化データとしてマークアップすることで、web上を徘徊してデータを収集している「クローラー(=Crawler=這って歩く動物という意味)」と呼ばれるプログラムに地図を渡してあげる事ができるのです。
その結果、クローラーはより効率的にサイト内を徘徊でき、ページ同士の関連性を深く理解するようになります。
パンくずリストを構造化データとしてマークアップする方法は、web担当者フォーラムのこちらの記事が参考になります。
最後に全体設計の見直し
ここまで出来たら、それをサイトマップに落とし込み、それぞれのページがムラなく適切なキーワードで検索されるよう、設計を見直してあげましょう。Googleのキーワードで検索ボリュームを調べるのもお忘れなく。
私も少し前からこの「再設計」で、巨大なExcelの表と格闘していました。(機密情報につき一部モザイク)
具体的に「どんな事」をしたかは、次の章をご覧ください。
改善前のイメージ
流石に自社サイトの事はありのまま公開できませんので、私が別のサイトを運営していたとしましょう。例えば五反田のラーメンをレビューするサイトです。
この状態で期待できる検索流入は、「各店舗名」毎に50回程度、合計で
250回/月
程度がいいところでしょう。裏付けはございません。
さすがに今日現在、ここまで時代遅れなままのサイトもそうそう無いと思いますが、実は当社も陥っていた路線です。
改善後のイメージ
こんなサイトも、文章さえ書くことができれば以下のよう改善できるのです。
ここでの想定検索流入は、「各店舗名」に加えて地域名、スープのジャンル名などが補強され合計で
1000超/月
を期待する事もできるでしょう。
どうしてこうなるのでしょうか?
検索エンジンにとって「価値があり表示すべきもの」が増え、更に「ジャンルごとの代表ページ」を教えてあげる事で、検索でヒットするページ数が上がり、見つけやすくなったためです。この「見つけやすさ」をファインダビリティと呼びます。それが向上したのです。
もちろん、やみくもにファインダビリティを上げる施策を取るのは危険です。それなりの労力やコストがかかることですから、事前に影響をシミュレートし「やる価値」のあるものに絞るべきでしょう。
当社で得られた効果はどれ程か?
当社で実施した効果は、着実に出ている印象です。実際に「購入意欲の高い検索キーワード」の含まれる4つの階層でこのような施策を行い、平均150%ほどの自然検索流入増が実現できました。(実行は7月後半)
現在はより効果が強化されるよう、更なるチューニングの実験中です。是非とも良い結果を出し、また経過を公開したいものです。