7億人が利用する謎の中国アプリ「QQ」って何?
中国のアプリというと、Tiktokはじめ、日本でも認知度が高いものも増えてきました。
日本ではTiktokが最も有名ですね。一方、中国本土ではTikTokを超える利用者数と人気を誇るアプリが多数あります。
QQとは?
「QQ」は、Tiktokを超えるアプリのひとつです。
正式名称は「テンセントQQ」。WeChatなどを提供しているテンセントが展開しています。
QQというサービスは、2023年現在、中国の電話番号がなければ登録すらできないということもあり、あまり日本では知られていません。しかし、QQは中国本土では最も普及しているインスタントメッセンジャーアプリのひとつです。
ユーザー数は2020年時点で7億ユーザー達成。月間アクティブ数は2023年現在5億9,700万件もある、超巨大アプリです。
QQとWeChatの違いは?
QQを運営しているテンセントは、WeChatという中国最強のSNSも運営しています。こちらはユーザー数が12億人で、QQを上回っています。
つまり、WeChatは同じ機能を持つQQという別のサービスを、同時に展開していることになります。
傍から見ると、ユーザーの奪い合いをしているようにも見えます。ところが実際はそうでもなく、ユーザーは住み分けされているようです。
数億人のユーザーを抱えるアプリを複数持つ会社というのは、中国の人口スケールの大きさを感じさせますね。
QQのユーザーは、主に10代の若者です。対してWeChatは全年代で使われています。
QQのイメージは、日本ではディスコードと言えば分かりやすいかもしれません。ゲーム配信(主にパソコンゲーム)などのコミュニケーションを目的としたものが多く、出会いの場にもなっているようです。
QQとWeChatの違いは?
QQもWeChatも決済機能を持っています。QQはWeChatとは異なり、QQ銭包(チェンバオ)という別の決済システムです。
また、アリペイとウィーチャットペイの二強が確定しているにもかかわらず、QQ銭包もそれなりの勢力を持っています。
これは、QQのターゲットが10代と定まっていることが大きいようです。WeChatと綺麗にユーザー利用層が分かれているため、勢力を維持できているのです。
他にも違いがあり、QQはパソコン使用がメインのインスタントメッセンジャーです。一方で、Wechatはアプリ使用がメイン。しかし、どちらもスマホ・PC兼用で使え、どちらもビデオ通話も可能です。機能はほぼ同じになっているのです。
QQは、元々は10代をターゲットにするつもりはなかったかもしれません。ところが、QQがパソコン使用メインのメッセンジャーという性質を持っていたことで、日本で言うLINEとディスコードのような住み分けが完成しました。
QQの知名度は無視できない?
QQは、日本ではほぼ無名です。しかし、中国ではまぎれもなく「最大級のコミュニケーションツール」です。特に、若者に限ればまぎれもなく最大最強のツールでしょう。
2019年の中国本土対象の人気アプリランキングでは、なんとQQが2位。アリペイ等も抑えてしまっています。※1位はWeChat
QQとWeChatの知名度の差は、どこで生まれたのでしょうか。
WeChatが世界展開しており、日本でもウィーチャットペイの決済ができる環境なのに対し、QQはその勢力の割にあまり日本では知られていません。これは、中国進出を目指す日本の事業者にとっては、ある意味ではチャンスといえるかもしれません。
QQは、越境や中国本土への訴求を行う企業、特に若者にアプローチしたい場合は、研究対象にすべきアプリです。
ところが、このQQというサービス、繰り返しになりますがあまり日本では情報がありません。日本語版公式サイトは、リンクが行方不明になってしまっているほどです。
一応、KDDIがQQと手を組んでいるものの、大した活動やプロモーションも行われた形跡はありません、事実上とん挫しているように見えます。
しかし、ユーザーはとても多いため、うまく利用すれば、ライバルを出し抜ける可能性も秘めています。
QQに広告を出す方法
※2019年時点の情報です
QQにはフィード広告を出すことができます。これはユーザー投稿と同じ見た目で配置されるプロモーションで、日本や世界でも一般的に使われている手法です。
肝心の広告の出し方は、基本的にはWeChatと同じ流れになるようです。
QQもWeChatもテンセント広告(https://e.qq.com/ads/)で一括管理されており、こちらに広告の紹介が掲載されています。
また、テンセントの広告の種類はQQだけでも膨大です。全体で見ると、とてもではないがここで掲載しきれないほどの手法があります。
QQの広告を出したいなら、まずはテンセント広告のサイトで会員登録(https://e.qq.com/reg-new/)をします。
その後、代理店を挟む場合は代理店、もしくはテンセントに直接連絡します。
なお、広告利用には条件があります。まず、テンセントの広告出稿は現地銀行口座の取得が必須です。そして、中国法人を持っているまたは中国で継続的にビジネスをしている企業であることも求められます。
中国現地に企業を持っていることが広告出稿の条件となっているため、現地法人がない場合、基本的には代理店を通すことになります。